今年の星雲賞参考候補作品を報ずの記

  日本SFファングループ連合会議のサイトで、今年の日本SF大会参加者の投票によって選ばれる、第36回星雲賞の各部門の参考候補作品が発表されました。以下同サイトから転載します。

日本長編部門
A ARIEL 笹本祐一 朝日ソノラマ ソノラマ文庫全20巻
 B 蒼穹の槍 陰山琢磨 光文社 カッパ・ノベルス
C 膚の下 神林長平 早川書房
D 復活の地 小川一水 早川書房 ハヤカワ文庫JA 全3巻
E 空の中 有川浩 メディアワークス
F All You Need Is Kill 桜坂洋 集英社 集英社スーパーダッシュ文庫 
G 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 夢枕獏 徳間書店 全4巻
H パンドラ 谷甲州 早川書房 上下巻
 I 新・地底旅行 奥泉光 朝日新聞社
日本短篇部門
A 象られた力 飛浩隆 早川書房 ハヤカワ文庫 JA「象られた力」所収
B 食卓にビールを☆伝説のスネークマスター篇 小林めぐみ 富士見書房 富士見ミステリー文庫食卓にビールを〈2〉」所収
C ラギッド・ガール 飛浩隆 早川書房 SFマガジン2月号 早川書房
D 日本改暦事情 冲方丁 徳間書店 SF Japan2004年春号
E 地球の裏側 藤田雅矢 早川書房 SFマガジン12月号 早川書房
F カメリ、エスカルゴを作る 北野勇作 早川書房 SFマガジン3月号 早川書房
G 幸せになる箱庭A happy idiot's universe 小川一水 早川書房 SFマガジン4月号 早川書房
I 時分割の地獄 山本弘 早川書房 SFマガジン4月号 早川書房
海外長編部門
A 万物理論 グレッグ・イーガン 山岸真 東京創元社 創元SF文庫
B 犬は勘定に入れません??あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 コニー・ウィリス 大森望 早川書房 海外SFノヴェルズ
C 奇術師 クリストファー・プリースト 古沢嘉通 早川書房 ハヤカワ文庫 FT プラチナ・ファンタジイ
D ケルベロス第五の首 ジーン・ウルフ 柳下毅一郎 国書刊行会 未来の文学
E 白い果実 ジェフリー・フォード 山尾悠子金原瑞人/谷垣暁美 国書刊行会
F エンベディング イアン・ワトスン 山形浩生 国書刊行会
G 地球間ハイウェイ ロバート・リード 伊藤典夫 早川書房 ハヤカワ文庫 SF
海外短篇部門
A ニュースの時間です シオドア・スタージョン 大森望 早川書房 SFマガジン7月号 早川書房
B アイスドラゴン ジョージ・R・R・マーティン 酒井昭伸 早川書房 SFマガジン12月号 早川書房
C アメリカの七夜 ジーン・ウルフ 浅倉久志 早川書房 SFマガジン10月号 早川書房
D 最後のウィネベーゴ コニー・ウィリス 大森望 早川書房 SFマガジン5月号 早川書房
E 名犬クランキー ロン・グーラート 浅倉久志 早川書房 SFマガジン10月号 早川書房
F アジアの岸辺 トマス・M・ディッシュ 若島正 国書刊行会 未来の文学『アジアの岸辺』所収
G ふたりジャネット テリー・ビッスン 中村融 河出書房新社 奇想コレクション 短編集「ふたりジャネット」 所収
H ツーリスト チャールズ・ストロス 酒井昭伸 早川書房 SFマガジン8月号 早川書房
メディア部門
A 雲のむこう、約束の場所 監督:新海誠 CoMix Wave
B 鉄人28号 監督:今川泰宏 GENCO ガンジス
C プラネテス 監督:谷口悟朗 サンライズ
D イノセンス 監督:押井守 プロダクション I.G
E 鋼の錬金術師 監督:水島精二 BONES
F ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 監督:ピーター・ジャクソン 配給:ヘラルド=松竹
G ASTRO BOY 鉄腕アトム 監督:小中和哉 手塚プロダクション
コミック部門
A ブレーメンII 川原泉 白泉社 Jets comics全5巻 
B ジョーカー・シリーズ 道原かつみ 新書館 Wings comics 全8巻  最終巻「ファイナル・ミッション」
C ムーン・ロスト 星野之宣 講談社 アフタヌーンKCデラックス全2巻
D 絶対可憐チルドレン 椎名高志 小学館 少年サンデー 2004年39〜42号短期掲載
E 凹村戦争(おうそんせんそう) 西島大介 早川書房 Jコレクション
F 砲神エグザクソン 園田健一 講談社 アフタヌーンKC全7巻
G 愛人 -AI・REN- 田中ユタカ 白泉社 ジェッツコミックス全5巻
アート部門
A 加藤直之
B 増田幹生
C 新海誠
D 松尾たいこ
E 村田蓮爾
F 前嶋重機
G 西島大介
H 岩郷重力
I 安倍吉俊
ノンフィクション部門
A SF雑誌の歴史パルプマガジンの饗宴 マイク・アシュリー 牧眞司 東京創元社 キイ・ライブラリー
B 前田建設ファンタジー営業部 前田建設工業株式会社 幻冬舎
C ライトノベル☆めった斬り! 大森望三村美衣 太田出版
D ファンタジーの歴史??空想世界 リン・カーター 中村融 東京創元社 キイ・ライブラリー
E トンデモ本?違う、SFだ! 山本弘 洋泉社
F おたく:人格=空間=都市ヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展−日本館出展フィギュア付きカタログ 国際交流基金 幻冬舎
自由部門
A 大作アンソロジー「ロボット・オペラ」瀬名秀明(光文社)
理由: 国内外の枠に囚われずに組まれた、ロボットをテーマとしたアンソロジー。特筆すべき点は、フィクション方面だけにとどまらず、エッセイやノンフィクションなどが大幅に加えられ「ロボット」自体を多角的にとらえる事を目的としている事。アンソロジーアンソロジストを評価するという意味で自由部門に推薦します。
B 有名望遠鏡ペーパークラフト 国立天文台(阪本成一他)
http://www.nro.nao.ac.jp/~lmsa/outreach/papermodel.html
理由:  JAXAと違い地味な仕事で、恐らくは広報予算も限られる中、独創性の高い努力に敬意を表したい。
C ヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展 国際交流基金
http://www.jpf.go.jp/venezia-biennale/otaku/j/index.html
理由:  おたく文化をひろめることに貢献した。
D 〈未来の文学国書刊行会
理由:  〈未来の文学〉シリーズの企画・編集に対して

以上、http://www.sf-fan.gr.jp/awards/2005.htmlより。

 個人的に言いたいことは色々あるのですが、なかなか目配りの利いた良いラインナップになったのでは、と思います。詳しい感想や賞レースの予想などは、長くなったのでまた明日にでも。