江戸三○○藩 バカ殿と名君(光文社新書) 

とにかくそんな興味もあって読んだのがこの本。全国300もの大小の藩それぞれの「お家の事情」と、それに必死に取り組み、あるいは挫折し、あるいは投げ出しちゃった殿様達の人間模様を事細かに調べて伝えてくれます。
 全体として、通俗史のいわゆる「名君」の類に割と辛口の評価をしている本なのですが(保科正之松平定信など、かなりばっさりと斬られています)、そんな中で相馬中村藩からは第三代の相馬忠胤(ただたね)という殿様が「この時代の『名君』としては、施策のきめ細かさも含めて、代表的な存在である。」と珍しく手放しで評価されています。なんだかちょっと嬉しい気分。
 私に藤沢周平並みの文才でもあれば、小さい藩でしゃにむに頑張った殿様と家来達の話を、何かの物語にして残せるのですがねえ・・・。
 ともあれいつかはそんなこんなを調べに、我が家の一方のルーツ相馬市へ足を運ばねば、と思っております。

 この本にはまだまだ面白い話が一杯出てくるので、いずれまた何かの折りにふれられればなあと思います。