もえるるぶ東京案内 

(JTBパブリッシング)
 
 「萌え」観点から見た新東京観光案内、という着想は良いと思うんですがね。

 まず何よりも、「もえるるぶ」を名乗っておきながら、版型があの「るるぶ」版型じゃない!これが問題その一!

 わずか125ページしかない本なのに、その内20ページもしょうもない絵物語みさくらなんこつ:絵)が占めていて、あとTVアニメがらみのPRページが5ページ、実質情報ページは地図ページも含めてたった100ページしかない!これが問題その二!

 何よりも、「史上最濃!(多分)やくにたつ萌え系ガイドブック」という副題の割には、先行のヲタク系ガイドブックでも取り上げている範囲の店を、ごくごくおおざっぱに紹介しているだけで、店のセレクトも記事内容も余り「濃さ」を感じさせてくれるところがない!これが問題その三!
 
 ・・・まあ、私のようなトシの行ったスレたヲタクが今更この本を片手に街を歩く必要もないわけで、そんなにムキになっていきんでもしょうがないのですけどね。ただ、「萌え」というヲタク的なものと、「観光ガイド」というそこらのまちの書店の店頭に並んでいそうなもの、という組み合わせは意外性があって良かっただけに、スタッフがもう少し「濃い」遊び心を持って本を作ってくれればなあ、と残念に思うのでした。

追記:アニメがらみのPRページの中に「うたかたファンなら一度は訪れてみたい街 鎌倉見物のススメ」という1ページがあって、そこは少しだけ笑わせてもらいました。