紺野キタ「知る辺の道」

幻冬舎コミックス
 隠れたファンの多い「ひみつの階段」シリーズの紺野キタさんの最新短編集。どちらかというとややホラーよりのファンタジーばかりを集めてあります。とは言っても紺野さんの事なので、決してドロドロ暗い話にはならずに、いつもの品の良い絵柄で、ちょっとホッとするような物語がつづられていきます。迷子の霊たちの案内人見習いにされてしまう少女の話、母の実家で、ぼけ始めたおじいちゃんに憑いている「天女」を見てしまう少女の話、自分が人間でないモノの「迷い子」だと知ってしまう少女の話、自分がいつか光のはしごを登って天国に帰るんだ、と信じている難病の姉を見守る少女の話・・・どの話も主人公たちの心理描写がきめ細やかで魅力的です。
 ところでそろそろ「ひみつ」シリーズのほうも新たな形でまとめて欲しいんだけどなあ(同人誌の方でお書きになっているらしいのですが、手に入れそびれたので)